小原会長 この度、第83回日本消化器内視鏡学会総会を2012年5月12日(土)~14日(月)に、グランドプリンスホテル新高輪国際館パミールにおきまして開催させていただくことになり、一言ご挨拶を申し上げます。

 日本消化器内視鏡学会は、会員数が3万2千人を超え、消化器内視鏡学の飛躍的な進歩に大きく貢献しています。そのことを踏まえ、第83回総会のメインテーマを「より安全かつ効果的な内視鏡医療の追究―Global Awareness, Innovation and Renewed Spirit―」と致しました。すなわち、グローバルな視野を持ち、現状の内視鏡医療を、様々なアイデアとチャレンジ精神で更に安全で効果的なものに発展させていくことを目指しております。

 プログラムの編成では、メインテーマに基づき、消化器内視鏡学のグローバル化を目指して国際シンポジウムを5本企画しましたが、そのうちの1つは、上西理事長と田尻理事のご尽力によりJGESとESGEとの第2回Joint Symposiumという記念すべき形で企画させていただくことができました。韓国とのJoint Symposiumを2つ企画しておりますが、これらの国際シンポジウムを介して、欧米、アジアを中心に、消化器内視鏡の役割を検証し、新たな可能性を探ることができればと思います。また、それぞれのテーマのもとに、パネルディスカッション、シンポジウム、ワークショップの形式で大いに討論していただき、斬新なアイデアやチャレンジ精神を取り入れた、より安全かつ効果的な内視鏡医療がさらなる進化を遂げる糸口になることを期待しております。

 さて、世界を震撼させた東日本大震災から1年が過ぎました。福島県、宮城県、岩手県では、大地震による大津波の爪痕が今なお人々を苦しめています。また、福島県は原発事故による放射能汚染という嘗て経験したことのない大問題を抱えている現状です。本総会では、大震災後1年が経過した被災地の現状と現在抱えている諸問題や課題について会員の先生方に知っていただきたいと思い、特別企画として「東日本大震災1年後の現状と課題」を企画させていただきました。私達は復興に向けて何ができるのかを深く考えてみたいと思います。その他にも、本総会のテーマに基づき、特別企画を3つ企画させていただきました。

 さらに、若手医師を中心とした教育を考慮し、バーチャルライブ4本、症例検討4本、そしてHands-on training 3本を企画しました。バーチャルライブは、内視鏡診療の現場をノンストップで録画し、ライブ感覚で細かな手技や介助者の動きなどを伝え、その動画をみながら討論していただく企画であります。症例検討ではアンサーパット形式を採用し、フロアの先生方にも診断や治療方針の決定に参加していただくことになります。そしてHands-on trainingでは、上部消化管ESD、大腸内視鏡挿入法、胆膵EUSの描出とEUS-FNAの3つを取り上げ、あらかじめ登録した受講者が専門家の指導を受けるのですが、受講できない先生のために見学をすることも可能になっております。これらの企画を通して、当学会の大きな役割の一つであります、優れた内視鏡専門医の養成に少しでも寄与することができればと考えております。

 会員の先生方におかれましては、是非本総会にご参加していただき、“今、消化器内視鏡に求められているものは何か”を、体験してほしいと願っております。

2012年2月8日

第83回日本消化器内視鏡学会総会
会長 小原勝敏